地元業者が「欠けにくい」信楽焼の新製品開発(産経新聞)
日本六古窯の一つで1200年以上の歴史を持つ信楽焼の地元、滋賀県甲賀市の市立4保育園の給食に、今春から初めて信楽焼の食器が使われることが決まった。地元業者が従来品の約2倍の強度を持つ食器の開発に成功。市教委は「幼少のころから伝統の陶器を使うことで、地場産業に愛着を持ち、食事マナーの向上にもつながれば」と期待している。
給食に使われるのは、同市信楽町の食器卸販売会社「藤陶(ふじとう)」(藤田仁史社長)が開発した「Dura(ドューラ)」。
同市立の学校や保育園などでは現在、プラスチック容器が給食に用いられている。
信楽焼を地元の子供たちに給食で使ってもらおうという構想は長い間、何度となく議論されてきたが、「欠けやすさ」が障害となり実現に至らなかった。
こうしたなか、藤田社長は約2年前から地元の窯元と共同で欠けにくい食器開発の研究を開始。その結果、原料の土にアルミナ(酸化アルミニウム)を配合し、時間をかけて焼き上げる製法によって強度を高めることに成功した。
同社によると、Duraは国際基準の衝撃試験などで従来品の約1・5〜2倍の強度を記録。土の密度が増したことで吸水性が低くカビの発生も抑えられる特徴を持つ。
市教委では2月、22の保育園のうち4園に茶碗(ちやわん)160個を導入することを決め、今後、他の学校などにも範囲を広げることも検討する。
Duraは形や色などがオーダーメードで30個から注文でき、県内外の介護業者や病院などからの問い合わせも多く寄せられているという。
藤田社長は「子供だけではなく、病院や福祉施設のお年寄りたちにも、安全で伝統的な陶食器を使って気持ちよくご飯を食べてもらいたい」と話している。
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2010-03-06 20:00
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